推薦作家:ツ斐(ツァオ・フェイ)「アイ・ミラー」、宋冬(ソンドン)「食べる山水画」シリーズ, 朱加(ジュ・ジャ) 「Lucust」
ここ数年で中国の現代美術は世界を圧巻、現在のアートシーンを語る上で欠かせない存在となり、多くの美術関係者が北京を訪れている。しかし、この中国現代美術ブームは油絵を中心とした平面作品がその大半を占め映像系作家は少ないが、平面と違って作品が商業的になりにくいこともあり面白い作家が多いのも特徴である。今回、アーカイブをメインのミッションとするMIACAがライブラリー形式の展覧会を開催することを受け、中国の映像作品を3つの角度から幅広くカバーできればと考え、曹斐(ツァオ・フェイ)、宋冬(ソン・ドン)、朱加(ジュ・ジァ)の北京を拠点とする3名の作家を推薦した。
朱加(1963)は、張培力とともに中国のメディアアートを牽引してきたアーティストで、映像作品が彼の作品の大半を占める。今回展示する「Locust」は完成したばかりの未発表のもの。コンセプチュアルな作品を多く手がける朱加だが、この作品は珍しく現在の中国の生活をユーモアたっぷりに描き上げたコマ送りタイプの作品である。
宋冬(1966)は、森美術館で開催された「秘すれば花」や東京画廊+BTAPで開催された個展「Waste Not」などで記憶に新しい人も多いであろう。インスタレーション型の作品が多く、多様なメディアをケースごとに組み合わせて作品を作り上げる。今回展示する「Eating Landscape」は、食物で作られた山水画に箸がつけられ食べられてなくなってしまうという作品。実際に展覧会のオープニングでもパフォーマンスとして企画された。
曹斐(1978)は、現在国際展に引っ張りだこの若手作家。写真や映像など新しいメディアを軽やかに駆使し作品を作り上げる。オビラへの参加も2回目となる今回は、広州の街中をコスプレの若者が駆け抜ける「Cosplayers」、シーメンズアートプロジェクトで製作された、工場で働く労働者のユートピアを探る「Whose Utopia」、セカンドライフでの出会いをドキュメンタリー化した「I.Mirror」の三作品を組み合わせて紹介。3作品とも舞台は異なるが同じトーンが流れ、人々が現実と非現実の中をさまよう。この3作品を続けて鑑賞することで、作家の目に映る現実と非現実が錯綜する現在社会観が味わえよう。